「マルコの福音書」 連続講解説教

しかし、愛は立ち続ける

マルコの福音書第15章1節〜15節
岩本遠億牧師
2018年1月28日

1 夜が明けるとすぐに、祭司長たちをはじめ、長老、律法学者たちと、全議会とは協議をこらしたすえ、イエスを縛って連れ出し、ピラトに引き渡した。 2 ピラトはイエスに尋ねた。「あなたは、ユダヤ人の王ですか。」イエスは答えて言われた。「そのとおりです。」 3 そこで、祭司長たちはイエスをきびしく訴えた。 4 ピラトはもう一度イエスに尋ねて言った。「何も答えないのですか。見なさい。彼らはあんなにまであなたを訴えているのです。」 5 それでも、イエスは何もお答えにならなかった。それにはピラトも驚いた。

6 ところでピラトは、その祭りには、人々の願う囚人をひとりだけ赦免するのを例としていた。 7 たまたま、バラバという者がいて、暴動のとき人殺しをした暴徒たちといっしょに牢にはいっていた。 8 それで、群衆は進んで行って、いつものようにしてもらうことを、ピラトに要求し始めた。 9 そこでピラトは、彼らに答えて、「このユダヤ人の王を釈放してくれというのか。」と言った。 10 ピラトは、祭司長たちが、ねたみからイエスを引き渡したことに、気づいていたからである。

11 しかし、祭司長たちは群衆を扇動して、むしろバラバを釈放してもらいたいと言わせた。 12 そこで、ピラトはもう一度答えて、「ではいったい、あなたがたがユダヤ人の王と呼んでいるあの人を、私にどうせよというのか。」と言った。 13 すると彼らはまたも「十字架につけろ。」と叫んだ。 14 だが、ピラトは彼らに、「あの人がどんな悪い事をしたというのか。」と言った。しかし、彼らはますます激しく「十字架につけろ。」と叫んだ。 15 それで、ピラトは群衆のきげんをとろうと思い、バラバを釈放した。そして、イエスをむち打って後、十字架につけるようにと引き渡した。

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ヘブル人への手紙
1 律法には、後に来るすばらしいものの影はあっても、その実物はないのですから、律法は、年ごとに絶えずささげられる同じいけにえによって神に近づいて来る人々を、完全にすることができないのです。 2 もしそれができたのであったら、礼拝する人々は、一度きよめられた者として、もはや罪を意識しなかったはずであり、したがって、ささげ物をすることは、やんだはずです。 3 ところがかえって、これらのささげ物によって、罪が年ごとに思い出されるのです。 4 雄牛とやぎの血は、罪を除くことができません。 5 ですから、キリストは、この世界に来て、こう言われるのです。

「あなたは、いけにえやささげ物を望まないで、
わたしのために、からだを造ってくださいました。
6 あなたは全焼のいけにえと
罪のためのいけにえとで
満足されませんでした。
7 そこでわたしは言いました。
『さあ、わたしは来ました。
聖書のある巻に、
わたしについてしるされているとおり、
神よ、あなたのみこころを行なうために。』」

8 すなわち、初めには、「あなたは、いけにえとささげ物、全焼のいけにえと罪のためのいけにえ(すなわち、律法に従ってささげられる、いろいろの物)を望まず、またそれらで満足されませんでした。」と言い、 9 また、「さあ、わたしはあなたのみこころを行なうために来ました。」と言われたのです。後者が立てられるために、前者が廃止されるのです。 10 このみこころに従って、イエス・キリストのからだが、ただ一度だけささげられたことにより、私たちはきよめられたものとされているのです。 11 また、すべて祭司は毎日立って礼拝の務めをなし、同じいけにえをくり返しささげますが、それらは決して罪を除き去ることができません。 12 しかし、キリストは、罪のために一つの永遠のいけにえをささげて後、神の右の座に着き、 13 それからは、その敵がご自分の足台となるのを待っておられるのです。 14 キリストはきよめられる人々を、一つのささげ物によって、永遠に全うされたのです。 15 聖霊も私たちに次のように言って、あかしされます。

16 「それらの日の後、わたしが、彼らと結ぼうとしている契約は、これであると、
主は言われる。
わたしは、わたしの律法を彼らの心に置き、
彼らの思いに書きつける。」

またこう言われます。 17 「わたしは、もはや決して彼らの罪と不法とを思い出すことはしない。」 18 これらのことが赦されるところでは、罪のためのささげ物はもはや無用です。

19 こういうわけですから、兄弟たち。私たちは、イエスの血によって、大胆にまことの聖所にはいることができるのです。 20 イエスはご自分の肉体という垂れ幕を通して、私たちのためにこの新しい生ける道を設けてくださったのです。 21 また、私たちには、神の家をつかさどる、この偉大な祭司があります。 22 そのようなわけで、私たちは、心に血の注ぎを受けて邪悪な良心をきよめられ、からだをきよい水で洗われたのですから、全き信仰をもって、真心から神に近づこうではありませんか。 23 約束された方は真実な方ですから、私たちは動揺しないで、しっかりと希望を告白しようではありませんか。 24 また、互いに勧め合って、愛と善行を促すように注意し合おうではありませんか。 25 ある人々のように、いっしょに集まることをやめたりしないで、かえって励まし合い、かの日が近づいているのを見て、ますますそうしようではありませんか。

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