「マタイの福音書」連続講解説教

真実は真実に応える

マタイの福音書第5章33節〜37節
岩本遠億牧師
2019年9月1日

また、昔の人々に対して、『偽って誓ってはならない。あなたが誓ったことを主に果たせ』と言われていたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。決して誓ってはいけません。天にかけて誓ってはいけません。そこは神の御座だからです。地にかけて誓ってもいけません。そこは神の足台だからです。エルサレムにかけて誓ってもいけません。そこは偉大な王の都だからです。自分の頭にかけて誓ってもいけません。あなたは髪の毛一本さえ白くも黒くもできないのですから。あなたがたの言うことばは、『はい』は『はい』、『いいえ』は『いいえ』としなさい。それ以上のことは悪い者から出ているのです。

「あの素晴らしい愛をもう一度」 北山修作詞・加藤和彦作曲

命かけてと 誓った日から
すてきな想い出 残してきたのに
あの時 同じ花を見て
美しいと言った二人の
心と心が 今はもう通わない
あの素晴らしい愛をもう一度
あの素晴らしい愛をもう一度

忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
    人の命の 惜しくもあるかな               
              右近 『拾遺集』恋四・870

「天地神明に誓って」
一般の理解:嘘をつく人(特に政治家)の常套句

十戒の第3戒
主の名をみだりに唱えてはならない。
=主の名による誓いを禁止
       ⇩
天にかけて誓う
地にかけて誓う
エルサレムにかけて誓う
自分の頭にかけて誓う
神殿にかけて誓う
神殿の黄金にかけて誓う
祭壇にかけて誓う
祭壇の捧げ物にかけて誓う

人はなぜ誓うのか?
なぜ誓わせるのか?

前提:自分の言葉、相手の言葉が信用できない
   人の言葉は不真実である

誓いの偽善性

誓いと契約の違い
契約=違約した場合の報いが規定

ダビデとヨナタンの愛の契約
=裏切ったら、殺してくれ←主が証人

不真実な言葉の世界から真実な言葉の世界へ

「あなたがたの言うことばは、『はい』は『はい』、『いいえ』は『いいえ』としなさい。それ以上のことは悪い者から出ているのです。」

コリント人への手紙 第二 1章15~24節

この確信をもって、私はまずあなたがたのところを訪れて、あなたがたが恵みを二度得られるようにと計画しました。すなわち、あなたがたのところを通ってマケドニアに赴き、そしてマケドニアから再びあなたがたのところに帰り、あなたがたに送られてユダヤに行きたいと思ったのです。

このように願った私は軽率だったのでしょうか。それとも、私が計画することは人間的な計画であって、そのため私には、「はい、はい」は同時に「いいえ、いいえ」になるのでしょうか。

神の真実にかけて言いますが、あなたがたに対する私たちのことばは、「はい」であると同時に「いいえ」である、というようなものではありません。私たち、すなわち、私とシルワノとテモテが、あなたがたの間で宣べ伝えた神の子キリスト・イエスは、「はい」と同時に「いいえ」であるような方ではありません。

この方においては「はい」だけがあるのです。神の約束はことごとく、この方において「はい」となりました。それで私たちは、この方によって「アーメン」と言い、神に栄光を帰するのです。私たちをあなたがたと一緒にキリストのうちに堅く保ち、私たちに油を注がれた方は神です。神はまた、私たちに証印を押し、保証として御霊を私たちの心に与えてくださいました。

私は自分のいのちにかけ、神を証人にお呼びして言います。私がまだコリントへ行かないでいるのは、あなたがたへの思いやりからです。私たちは、あなたがたの信仰を支配しようとする者ではなく、あなたがたの喜びのために協力して働く者です。あなたがたは信仰に堅く立っているのですから。

ヘブライ語
 信仰 エムナー:‘eMuNa
 まことにそうだ アーメン: ‘aMeN 
 信頼を引き起こす実体 ネエマヌート
           ne ‘eMaNut
 中心概念=「‘ M N」 確かさ

信仰=
神のまこと(ネエマヌート)に触れられた時に、人の中に立ち上がる信(アーメン!と言うこと)

・信仰の実体は神のまことにある
・人の信仰は、それに触れられた時の非意志的変化
×教理を意識的に信じ込もうとすること。
×自分の頑張りで持続、完成するもの。

ヨハネの福音書 5章24~25節

まことに、まことに、あなたがたに言います。わたしのことばを聞いて、わたしを遣わされた方を信じる者は、永遠のいのちを持ち、さばきにあうことがなく、死からいのちに移っています。まことに、まことに、あなたがたに言います。死人が神の子の声を聞く時が来ます。今がその時です。それを聞く者は生きます。


キリストの真実に触れられると、私たちの中に死んでいた真実が立ち上がる
        ↓
私たちも真実の言葉を語るものとされて行く

神様は、真実を持って触れてくださった私たちを信じ抜いてくださる。

神の真実が人の中の死んだ真実を甦らせるから。

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