「ルカの福音書」 連続講解説教

聖霊の主権

ルカの福音書第1章26節〜56節
岩本遠億牧師
2019年12月8日

“さて、その六か月目に、御使いガブリエルが神から遣わされて、ガリラヤのナザレという町の一人の処女のところに来た。この処女は、ダビデの家系のヨセフという人のいいなずけで、名をマリアといった。御使いは入って来ると、マリアに言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。」しかし、マリアはこのことばにひどく戸惑って、これはいったい何のあいさつかと考え込んだ。すると、御使いは彼女に言った。「恐れることはありません、マリア。あなたは神から恵みを受けたのです。見なさい。あなたは身ごもって、男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。その子は大いなる者となり、いと高き方の子と呼ばれます。また神である主は、彼にその父ダビデの王位をお与えになります。彼はとこしえにヤコブの家を治め、その支配に終わりはありません。」マリアは御使いに言った。「どうしてそのようなことが起こるのでしょう。私は男の人を知りませんのに。」御使いは彼女に答えた。「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。それゆえ、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれます。見なさい。あなたの親類のエリサベツ、あの人もあの年になって男の子を宿しています。不妊と言われていた人なのに、今はもう六か月です。神にとって不可能なことは何もありません。」マリアは言った。「ご覧ください。私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおり、この身になりますように。」すると、御使いは彼女から去って行った。それから、マリアは立って、山地にあるユダの町に急いで行った。そしてザカリヤの家に行って、エリサベツにあいさつした。エリサベツがマリアのあいさつを聞いたとき、子が胎内で躍り、エリサベツは聖霊に満たされた。そして大声で叫んだ。「あなたは女の中で最も祝福された方。あなたの胎の実も祝福されています。私の主の母が私のところに来られるとは、どうしたことでしょう。あなたのあいさつの声が私の耳に入った、ちょうどそのとき、私の胎内で子どもが喜んで躍りました。主によって語られたことは必ず実現すると信じた人は、幸いです。」マリアは言った。「私のたましいは主をあがめ、私の霊は私の救い主である神をたたえます。この卑しいはしために目を留めてくださったからです。ご覧ください。今から後、どの時代の人々も私を幸いな者と呼ぶでしょう。力ある方が、私に大きなことをしてくださったからです。その御名は聖なるもの、主のあわれみは、代々にわたって主を恐れる者に及びます。主はその御腕で力強いわざを行い、心の思いの高ぶる者を追い散らされました。権力のある者を王位から引き降ろし、低い者を高く引き上げられました。飢えた者を良いもので満ち足らせ、富む者を何も持たせずに追い返されました。主はあわれみを忘れずに、そのしもべイスラエルを助けてくださいました。私たちの父祖たちに語られたとおり、アブラハムとその子孫に対するあわれみをいつまでも忘れずに。」マリアは、三か月ほどエリサベツのもとにとどまって、家に帰った。”ルカの福音書 1章26~56節

聖霊への言及

マタイの福音書  5回
マルコの福音書  4回
ルカの福音書 13回
ヨハネの福音書  3回
使徒の働き 43回

歴史的価値が最も高い「ルカの福音書」と「使徒の働き」を合わせると著者ルカは56回聖霊に言及している。
→主イエス降誕における聖霊の主権
=聖霊が歴史を動かす
→聖霊は今も働かれる

聖書にはマリアの親についての言及がない

マリアは恐らく孤児
→祭司ザカリヤとエリサベツに養育される
→初潮が現れる
→祭司ザカリヤがマリアの血によって汚れたら祭司の働きができない
→ナザレに移り住みヨセフと婚約
→御使ガブリエルによる主イエスの受胎告知

マリアはどのような心境だったのか?

当時の婚約=結婚と同じ法的制約

婚約中に婚約者が死亡→未亡人として登録
婚約中に他の人と性交渉=姦淫
→石打ちによる死刑

マリアにも姦淫の罪の嫌疑
→社会的制裁(最悪死刑)

しかし、マリアは恐れによって縮こまってはいなかった。

マリアに与えられた強い聖霊体験

“マリアは言った。「私のたましいは主をあがめ、
私の霊は私の救い主である神をたたえます。

(egalliasen:過去形)
×たたえます
○喜びに満ち、たたえました
何時喜びに満ち、たたえたのか?
→この卑しいはしために目を留めてくださった時
  力ある方が、私に大きなことをしてくださった時

マリアは、自分の体に聖霊が激しく臨み、それまでの自分の体ではなくなる経験をした。
→湧き上がる喜び、黙っていられない歓喜
→エリサベツと喜びを分かち合いたい

聖霊に満たされたマリアの到着
→エリサベツは聖霊に満たされる
→マリアの溢れる賛美

聖霊が救いの計画を実行

聖霊によるマリア懐妊
聖霊に満たされたエリサベツ
聖霊に満たされたザカリヤ
聖霊に導かれたシメオン

聖霊が鳩のようにイエスの上に留まる
聖霊がイエスを荒野に追いやる

イエスの十字架と復活の後
聖霊に満たされた弟子たち
異邦人にも聖霊が与えられる

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