「ルカの福音書」 連続講解説教

聖霊は全身全霊の歓びを満たす

ルカの福音書第1章39節〜56節
岩本遠億牧師
2021年10月17日

 それから、マリアは立って、山地にあるユダの町に急いで行った。そしてザカリヤの家に行って、エリサベツにあいさつした。エリサベツがマリアのあいさつを聞いたとき、子が胎内で躍り、エリサベツは聖霊に満たされた。そして大声で叫んだ。「あなたは女の中で最も祝福された方。あなたの胎の実も祝福されています。私の主の母が私のところに来られるとは、どうしたことでしょう。あなたのあいさつの声が私の耳に入った、ちょうどそのとき、私の胎内で子どもが喜んで躍りました。主によって語られたことは必ず実現すると信じた人は、幸いです。」
 マリアは言った。「私のたましいは主をあがめ、 私の霊は私の救い主である神をたたえます。この卑しいはしために目を留めてくださったからです。ご覧ください。今から後、どの時代の人々も私を幸いな者と呼ぶでしょう。力ある方が、私に大きなことをしてくださったからです。その御名は聖なるもの、主のあわれみは、代々にわたって主を恐れる者に及びます。主はその御腕で力強いわざを行い、心の思いの高ぶる者を追い散らされました。権力のある者を王位から引き降ろし、低い者を高く引き上げられました。飢えた者を良いもので満ち足らせ、富む者を何も持たせずに追い返されました。主はあわれみを忘れずに、そのしもべイスラエルを助けてくださいました。私たちの父祖たちに語られたとおり、アブラハムとその子孫に対するあわれみをいつまでも忘れずに。」

 マリアは、三か月ほどエリサベツのもとにとどまって、家に帰った。
                       ルカの福音書 1章39~56節

御使ガブリエルによる受胎告知
→聖霊による主イエス懐妊
→マリアはすぐにエリサベツを訪問
 ナザレ からユダの山地

  13〜14歳の少女が一人で危険な道を歩いていく
  聖霊の喜びがマリアを突き動かしている
  聖霊の喜びを分かち合わざるを得ない力がマリアに満ちている

ルカの福音書、使徒の働き:聖霊の強調

日本語における「たましい」の意味 『大辞泉』小学館
1 生きものの体の中に宿って、心の働きをつかさどると考えられるもの。古来、肉体を離れても存在し、不滅のものと信じられてきた。霊魂。たま。「―が抜けたようになる」「仏作って―入れず」
2 心の活力。精神。気力。「仕事に―を打ち込む」
3 それなしではそのものがありえないくらい大事なもの。「刀は武士の―、鏡は女の―」
4 (多く「…だましい」の形で)そのもののもつ固有の精神。また、気構え。「大和(やまと)―」「負けじ―」
                               など

聖書における「たましい」 
ネフェシュ(ヘブライ語)
=息をするもの
=肉体のいのち
=体+心
=求め、願い、思い

肉体と離れて存在するものではない。
人が死ぬと霊は神に帰るが、ネフェシュは帰らない。

“だれが知っているだろうか。人の子らの霊は上に昇り、獣の霊は地の下に降りて行くのを。”伝道者の書 3章21節
“土のちりは元あったように地に帰り、霊はこれを与えた神に帰る。”伝道者の書 12章7節

“神である主は、その大地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。それで人は生きるもの(生きたネフェシュ)となった。” 創世記 2章7節

“ほむべきかな主。主は私たちを彼らの歯の餌食にされなかった。鳥のように私たちのたましい(=いのち)は仕掛けられた罠から助け出された。罠は破られ私たちは助け出された。” 詩篇 124篇6~7節

“鹿が谷川の流れを慕いあえぐように神よ私のたましい(=体のいのち)はあなたを慕いあえぎます。
私のたましい(=体のいのち)は神を生ける神を求めて渇いています。いつになれば私は行って神の御前に出られるのでしょうか。“ 詩篇 42篇1~2節

詩篇第63篇 ダビデの賛歌。
         ダビデがユダの荒野にいたときに。

神よ あなたは私の神。私は あなたを切に求めます。水のない衰え果てた乾いた地で私のたましい(体のいのち)は  あなたに渇き 私の身も あなたをあえぎ求めます。私は あなたの力と栄光を見るためにこうして聖所で あなたを仰ぎ見ています。

詩篇 23篇1~4節
主は私の羊飼い。私は乏しいことがありません。
主は私を緑の牧場に伏させいこいのみぎわに伴われます。
主は私のたましい(体のいのち+心)を生き返らせ御名のゆえに私を義の道に導かれます。
たとえ死の陰の谷を歩むとしても私はわざわいを恐れません。あなたがともにおられますから。あなたのむちとあなたの杖それが私の慰めです。

卑しめられ、低められ、渇き苦しむ私たちのいのちを慕い、このいのちの尊厳を回復なさる神がおられる。

「その御名は聖なるもの、主のあわれみは、代々にわたって主を恐れる者に及びます。主はその御腕で力強いわざを行い、心の思いの高ぶる者を追い散らされました。権力のある者を王位から引き降ろし、低い者を高く引き上げられました。」

低められた者のネフェシュ(体のいのち)に聖霊を注ぎ、この地において神の御心を行わせてくださる。

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