「マルコの福音書」 連続講解説教

あなたはイエスの分身

マルコの福音書第13章1節〜20節
岩本遠億牧師
2017年10月29日

13:1 イエスが、宮から出て行かれるとき、弟子のひとりがイエスに言った。「先生。これはまあ、何とみごとな石でしょう。何とすばらしい建物でしょう。」

13:2 すると、イエスは彼に言われた。「この大きな建物を見ているのですか。石がくずされずに、積まれたまま残ることは決してありません。」

13:3 イエスがオリーブ山で宮に向かってすわっておられると、ペテロ、ヤコブ、ヨハネ、アンデレが、ひそかにイエスに質問した。

13:4 「お話しください。いつ、そういうことが起こるのでしょう。また、それがみな実現するようなときには、どんな前兆があるのでしょう。」

13:5 そこで、イエスは彼らに話し始められた。「人に惑わされないように気をつけなさい。

13:6 わたしの名を名のる者が大ぜい現われ、『私こそそれだ。』と言って、多くの人を惑わすでしょう。

13:7 また、戦争のことや戦争のうわさを聞いても、あわててはいけません。それは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。

13:8 民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々に地震があり、ききんも起こるはずだからです。これらのことは、産みの苦しみの初めです。

13:9 だが、あなたがたは、気をつけていなさい。人々は、あなたがたを議会に引き渡し、また、あなたがたは会堂でむち打たれ、また、わたしのゆえに、総督や王たちの前に立たされます。それは彼らに対してあかしをするためです。

13:10 こうして、福音がまずあらゆる民族に宣べ伝えられなければなりません。

13:11 彼らに捕えられ、引き渡されたとき、何と言おうかなどと案じるには及びません。ただ、そのとき自分に示されることを、話しなさい。話すのはあなたがたではなく、聖霊です。

13:12 また兄弟は兄弟を死に渡し、父は子を死に渡し、子は両親に逆らって立ち、彼らを死に至らせます。

13:13 また、わたしの名のために、あなたがたはみなの者に憎まれます。しかし、最後まで耐え忍ぶ人は救われます。

13:14 『荒らす憎むべきもの』が、自分の立ってはならない所に立っているのを見たならば(読者はよく読み取るように。)ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。

13:15 屋上にいる者は降りてはいけません。家から何かを取り出そうとして中にはいってはいけません。

13:16 畑にいる者は着物を取りに戻ってはいけません。

13:17 だが、その日、悲惨なのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。

13:18 ただ、このことが冬に起こらないように祈りなさい。

13:19 その日は、神が天地を創造された初めから、今に至るまで、いまだかつてなかったような、またこれからもないような苦難の日だからです。

13:20 そして、もし主がその日数を少なくしてくださらないなら、ひとりとして救われる者はないでしょう。しかし、主は、ご自分で選んだ選びの民のために、その日数を少なくしてくださったのです。

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宗教改革500年記念
1517年10月31日
ヴィッテンベルク城教会の城門に貼り付けられた「95か条の提題」

信仰のみ・・・信仰とは何か?
聖書のみ・・・聖書とは何か?
恵みのみ
キリストのみ
神の栄光のみ

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マルコの福音書
・・・ネロ帝時代のローマのキリスト教徒に向けて書かれた

小黙示録(大黙示録ヨハネの黙示録に対して)
聖書の主張:イエス・キリストこそまことの王
今この地を支配する悪魔とキリストとの戦い

迫害の中でキリストと共に戦う主の僕たちのことを心に留めておられる。
主がどのように一人一人を支え、導くかを約束しておられる。

神殿を去るイエス
紀元前516年に再建
→ヘロデ大王(巨石建造物に業績)による改修
→壮大な神殿に驚嘆する弟子たち
  最大の石は長さ12m以上、重さ500t
 (ピラミッドの石11t)

神殿崩壊(=エルサレム滅亡)の預言

ダニエル書9:26
その62週の後、油注がれた者(キリスト)は断たれ、彼には何も残らない。やがて来るべき君主(ローマ皇帝)の民が町と聖所を破壊する。

キリストの最終的な勝利の預言

ゼカリヤ書
14:1 見よ。主の日が来る。その日、あなたから分捕った物が、あなたの中で分けられる。 14:2 わたしは、すべての国々を集めて、エルサレムを攻めさせる。町は取られ、家々は略奪され、婦女は犯される。町の半分は捕囚となって出て行く。しかし、残りの民は町から断ち滅ぼされない。

ローマの将軍ティトゥスによるエルサレム攻撃とエルサレムの滅亡として実現

終わりの日の戦い

14:3 主が出て来られる。決戦の日に戦うように、それらの国々と戦われる。 14:4 その日、主の足は、エルサレムの東に面するオリーブ山の上に立つ。・・・

14:6 その日には、光も、寒さも、霜もなくなる。 14:7 これはただ一つの日であって、これは主に知られている。昼も夜もない。夕暮れ時に、光がある。 14:8 その日には、エルサレムから湧き水が流れ出て、その半分は東の海に、他の半分は西の海に流れ、夏にも冬にも、それは流れる。 14:9 主は地のすべての王となられる。その日には、主はただひとり、御名もただ一つとなる。

*弟子たち(ペテロ、ヨハネ、ヤコブ、アンデレ)の質問
・いつ、それが起きるのか?
・その前兆は何か?

*イエスの答え
・人に惑わされないように気をつけよ(事柄を識別せよ)(5節)
  にせキリストの出現
  戦争のうわさ、戦争は起きる→終わりではない
  地震や飢饉
  生みの苦しみの始まり(メシアの生みの苦しみ)

・自分自身に気をつけよ(識別せよ)(9節)
  十字架以外イエスと同じように扱われる
   =あなたがたはわたしの分身である
   =福音があらゆる民族に宣べ伝えられる

・イエスに従う者たちに対する約束
  ・心配しなくて良い
  ・語るべきことは、あなた方の中にいる聖霊が語る

・世の権力者は、家族の間さえ裂く
  イエスとの関係は個々人との関係、×家族単位
  注意:宗教と宗教の戦いではない
    世の権力者(悪魔の僕)によるキリスト者迫害

・最後まで耐え忍ぶ人は救われる
  ペテロ、ヤコブ、ヨハネ、アンデレ、弟子たちはどうだったのか?
     ↓
  全員、イエスを否定し、見捨てて逃げて行く

・ここで、立ち戻るべきもの=キリスト信仰とは何か、救われると何か?

ヘブライ語 信仰 エムナー:‘eMuNa
      まことにそうだ アーメン: ‘aMeN 
      信頼を引き起こす実体 ネエマヌート ne‘eMaNut
        中心概念=「‘ M N」 確かさ

信仰=神のまこと(ネエマヌート)に触れられた時に、人の中に立ち上がる信(アーメン!と言うこと)

・信仰の実体は神のまことにある
・人の信仰は、それに触れられた時の非意志的変化
×教理を意識的に信じ込もうとすること。
×自分の頑張りで持続、完成するもの。

語るのは、(あなた方の中におられる)聖霊である。
信仰は、人の心理状態ではない。心理的出来事ではない。私たちの中におられる聖霊(=キリストの御霊)こそが信仰なのである。

最後まで耐え忍ぶ者は、救われる。

耐え忍ぶ hypo(=下に)meno(=留まる)
キリストが下から支えてくださっている
そのキリストがこの状況にある私たちを知って、背負ってくださっていることを知る。このお方に対して「アーメン!」と答え続けること。

救われる=癒される sothesetai 未来形

主イエスと共にこの苦しみの時をくぐり抜ける者たちには、癒しの時がやって来る

×迫害に負けずに頑張りとおした者だけが天国に行く

イエス・キリストは、ご自分と弟子たち(イエスに頼る私たち)との間に分離や隔絶を前提としておられない。

「わたしとお前たちとは一つである。」

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