「マルコの福音書」 連続講解説教

不条理を超えるいのちを見る

マルコの福音書第15章21節
岩本遠億牧師
2018年2月4日

15:21そこへ、アレキサンデルとルポスとの父で、シモンというクレネ人が、いなかから出て来て通りかかったので、彼らはイエスの十字架を、むりやりに彼に背負わせた。

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マルコ福音書、ローマで執筆:ルポス=ローマ教会の指導者の一人としてよく知られていた

ローマ人への手紙16章13節
「主にあって選ばれた人ルポスによろしく。また、彼と私の母によろしく。」
彼の母・・・文字通りの親子
私の母・・・私にとって母のような存在
パウロがキリスト者になったばかりの時に、母のように世話をし、庇ってくれた人。ルポスの父も、パウロにとって父ような存在。

使徒の働き13章1節
「さて、アンテオケには、そこにある教会に、バルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン(シモン)、クレネ人ルキオ、国主ヘロデの乳兄弟マナエン、サウロなどという預言者や教師がいた。」
ニゲルと呼ばれるシメオン
=クレネ人シモン?

イエス・キリストの十字架の出来事を目撃し、それを伝えた人
=クレネ人シモン

不条理を超えるいのち、イエス・キリストの戦いを目撃
→キリストを信じる者へ

シモンが目撃したものは何だったのか?
勇壮な王の戦い
自分が背負った王の十字架とは何だったのか
不条理を越えさせるもの

ホレイシオ・スパフォード Horatio Spafford (1828〜1888)
シカゴの法律家、実業家
多くの不動産を所有し、社会奉仕活動
長老教会の役員

1871年シカゴ大火、全ての不動産を失う
1871年息子を猩紅熱で失う
長老教会からは、隠れた罪が原因だと断罪される

イギリスで宣教していた伝道者ムーディの活動に参加するため、一家でイギリスに渡る計画
出発直前に、急な仕事のためスパフォードはシカゴに残り、妻のアンナと4人の娘だけ、先発することに。

アンナと4人の娘が乗った蒸気船は、大西洋横断中に鉄の帆船と衝突、沈没
アンナだけが助けられ生き残る。
ホレイシオに電報。
Saved alone. What should I do?

すぐにイギリスに向かうホレイシオ
アンナたちが乗った船が沈没したところにさしかかった時、一つの言葉が与えられた。
It is well with my soul(しかし、私の魂は守られている)

1.
平安が川のように、心に寄り添う時も、
悲しみが大波のように、逆巻く時も、
私の運命がいかなるものであっても、
主よ、あなたは、教えてくださいました。
「私の魂は守られている」と語ることを

It is well, it is well with my soul.

2.
サタンは攻撃をしかけてくる。試みの時もやってくる。
しかし、この祝福された保証が心を支配するようにせよ
キリストは、私の惨めな状況をご存知である。
そして、私の魂にその御血を注いでくださったのだ

3.
私の罪、ああ、この栄光ある喜びよ!
私の罪は、一部分ではなく、その全てが
キリストの十字架に釘付けられた。
私はもはや、自分の罪を背負ってはいない
主を讃えよ!主を讃えよ!我が魂よ!

It is well, it is well with my soul.

4.
私にとってはキリストのみキリストだけが生きている
ヨルダン川は頭の上で、逆巻くだろう。
しかし、もはや痛みは私を苦しめない
死もいのちに呑み込まれた。
あなたが、あなたの平安を私の魂に
語りかけてくださった

5.
しかし、主よ、あなたの来臨を私たちは待っています。
墓ではなく、天が私たちの行き先です。
御使のラッパの音、おお、主よ、あなたの御声
何と祝福された希望、祝福された魂の安息。

6.
主よ、その日を来らせ給え。
あなたの真実が目に見える時を。
雲は幕のように巻き取られ、
ラッパの音が響き、主がやってこられる。
しかし、私の魂は守られている。

It is well, it is well with my soul.

ムーディの宣教活動に参加
その後、エルサレムに移住、エルサレムで貧困にあえぐ人たちの救済のために生涯を捧げる

今も、スパフォードの子孫が経営するホテルがエルサレムにある。

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