「マルコの福音書」 連続講解説教

私たちの価値を造る者

マルコの福音書第8章1節~21節
岩本遠億牧師
2017年3月19日

8:1 そのころ、また大ぜいの人の群れが集まっていたが、食べる物がなかったので、イエスは弟子たちを呼んで言われた。

8:2 「かわいそうに、この群衆はもう三日間もわたしといっしょにいて、食べる物を持っていないのです。

8:3 空腹のまま家に帰らせたら、途中で動けなくなるでしょう。それに遠くから来ている人もいます。」

8:4 弟子たちは答えた。「こんなへんぴな所で、どこからパンを手に入れて、この人たちに十分食べさせることができましょう。」

8:5 すると、イエスは尋ねられた。「パンはどれぐらいありますか。」弟子たちは、「七つです。」と答えた。

8:6 すると、イエスは群衆に、地面にすわるようにおっしゃった。それから、七つのパンを取り、感謝をささげてからそれを裂き、人々に配るように弟子たちに与えられたので、弟子たちは群衆に配った。

8:7 また、魚が少しばかりあったので、そのために感謝をささげてから、これも配るように言われた。

8:8 人々は食べて満腹した。そして余りのパン切れを七つのかごに取り集めた。

8:9 人々はおよそ四千人であった。それからイエスは、彼らを解散させられた。

8:10 そしてすぐに弟子たちとともに舟に乗り、ダルマヌタ地方へ行かれた。

8:11 パリサイ人たちがやって来て、イエスに議論をしかけ、天からのしるしを求めた。イエスをためそうとしたのである。

8:12 イエスは、心の中で深く嘆息して、こう言われた。「なぜ、今の時代はしるしを求めるのか。まことに、あなたがたに告げます。今の時代には、しるしは絶対に与えられません。」

8:13 イエスは彼らを離れて、また舟に乗って向こう岸へ行かれた。

8:14 弟子たちは、パンを持って来るのを忘れ、舟の中には、パンがただ一つしかなかった。

8:15 そのとき、イエスは彼らに命じて言われた。「パリサイ人のパン種とヘロデのパン種とに十分気をつけなさい。」

8:16 そこで弟子たちは、パンを持っていないということで、互いに議論し始めた。

8:17 それに気づいてイエスは言われた。「なぜ、パンがないといって議論しているのですか。まだわからないのですか、悟らないのですか。心が堅く閉じているのですか。

8:18 目がありながら見えないのですか。耳がありながら聞こえないのですか。あなたがたは、覚えていないのですか。

8:19 わたしが五千人に五つのパンを裂いて上げたとき、パン切れを取り集めて、幾つのかごがいっぱいになりましたか。」彼らは答えた。「十二です。」

8:20 「四千人に七つのパンを裂いて上げたときは、パン切れを取り集めて幾つのかごがいっぱいになりましたか。」彼らは答えた。「七つです。」

8:21 イエスは言われた。「まだ悟らないのですか。」

イザヤ書
6:9 すると仰せられた。「行って、この民に言え。『聞き続けよ。だが悟るな。見続けよ。だが知るな。』

6:10 この民の心を肥え鈍らせ、その耳を遠くし、その目を堅く閉ざせ。自分の目で見、自分の耳で聞き、自分の心で悟り、立ち返って、いやされることのないために。」

マタイの福音書
4:1 さて、イエスは、悪魔の試みを受けるため、御霊に導かれて荒野に上って行かれた。

4:2 そして、四十日四十夜断食したあとで、空腹を覚えられた。

4:3 すると、試みる者が近づいて来て言った。「あなたが神の子なら、この石がパンになるように、命じなさい。」

4:4 イエスは答えて言われた。「『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる。』と書いてある。」

4:5 すると、悪魔はイエスを聖なる都に連れて行き、神殿の頂に立たせて、

4:6 言った。「あなたが神の子なら、下に身を投げてみなさい。『神は御使いたちに命じて、その手にあなたをささえさせ、あなたの足が石に打ち当たることのないようにされる。』と書いてありますから。」

4:7 イエスは言われた。「『あなたの神である主を試みてはならない。』とも書いてある。」

4:8 今度は悪魔は、イエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々とその栄華を見せて、

4:9 言った。「もしひれ伏して私を拝むなら、これを全部あなたに差し上げましょう。」

4:10 イエスは言われた。「引き下がれ、サタン。『あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えよ。』と書いてある。」

4:11 すると悪魔はイエスを離れて行き、見よ、御使いたちが近づいて来て仕えた。

ヨハネの福音書
21:25 イエスが行なわれたことは、ほかにもたくさんあるが、もしそれらをいちいち書きしるすなら、世界も、書かれた書物を入れることができまい、と私は思う。

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