「使徒の働き」 連続講解説教

見たこと聞いたことを

使徒の働き第22章1節~21節
岩本遠億牧師
2015年11月29日

22:1 「兄弟たち、父たちよ。いま私が皆さんにしようとする弁明を聞いてください。」

22:2 パウロがヘブル語で語りかけるのを聞いて、人々はますます静粛になった。そこでパウロは話し続けた。

22:3 「私はキリキヤのタルソで生まれたユダヤ人ですが、この町で育てられ、ガマリエルのもとで私たちの先祖の律法について厳格な教育を受け、今日の皆さんと同じように、神に対して熱心な者でした。

22:4 私はこの道を迫害し、男も女も縛って牢に投じ、死にまでも至らせたのです。

22:5 このことは、大祭司も、長老たちの全議会も証言してくれます。この人たちから、私は兄弟たちへあてた手紙までも受け取り、ダマスコへ向かって出発しました。そこにいる者たちを縛り上げ、エルサレムに連れて来て処罰するためでした。

22:6 ところが、旅を続けて、真昼ごろダマスコに近づいたとき、突然、天からまばゆい光が私の回りを照らしたのです。

22:7 私は地に倒れ、『サウロ、サウロ。なぜわたしを迫害するのか。』という声を聞きました。

22:8 そこで私が答えて、『主よ。あなたはどなたですか。』と言うと、その方は、『わたしは、あなたが迫害しているナザレのイエスだ。』と言われました。

22:9 私といっしょにいた者たちは、その光は見たのですが、私に語っている方の声は聞き分けられませんでした。

22:10 私が、『主よ。私はどうしたらよいのでしょうか。』と尋ねると、主は私に、『起きて、ダマスコに行きなさい。あなたがするように決められていることはみな、そこで告げられる。』と言われました。

22:11 ところが、その光の輝きのために、私の目は何も見えなかったので、いっしょにいた者たちに手を引かれてダマスコにはいりました。

22:12 すると、律法を重んじる敬虔な人で、そこに住むユダヤ人全体の間で評判の良いアナニヤという人が、

22:13 私のところに来て、そばに立ち、『兄弟サウロ。見えるようになりなさい。』と言いました。すると、そのとき、私はその人が見えるようになりました。

22:14 彼はこう言いました。『私たちの先祖の神は、あなたにみこころを知らせ、義なる方を見させ、その方の口から御声を聞かせようとお定めになったのです。

22:15 あなたはその方のために、すべての人に対して、あなたの見たこと、聞いたことの証人とされるのですから。

22:16 さあ、なぜためらっているのですか。立ちなさい。その御名を呼んでバプテスマを受け、自分の罪を洗い流しなさい。』

22:17 こうして私がエルサレムに帰り、宮で祈っていますと、夢ごこちになり、

22:18 主を見たのです。主は言われました。『急いで、早くエルサレムを離れなさい。人々がわたしについてのあなたのあかしを受け入れないからです。』

22:19 そこで私は答えました。『主よ。私がどの会堂ででも、あなたの信者を牢に入れたり、むち打ったりしていたことを、彼らはよく知っています。

22:20 また、あなたの証人ステパノの血が流されたとき、私もその場にいて、それに賛成し、彼を殺した者たちの着物の番をしていたのです。』

22:21 すると、主は私に、『行きなさい。わたしはあなたを遠く、異邦人に遣わす。』と言われました。」

22:15 あなたはその方のために、すべての人に対して、あなたの見たこと、聞いたことの証人とされる。
=生けるキリストの証人となる。

キリストは生きているとの証言
=証言する者の個人的体験を語る

キリスト信仰の醍醐味
=生きているキリストを個人的に体験する
×理屈でキリストの復活を納得する

パウロ個人の信仰背景
・キリキヤのタルソ生まれのユダヤ人
・エルサレムでユダヤ教の訓練
・ガマリエルの弟子
・律法についての厳格な教育
・神について熱心な者

ガマリエル=ヒレルの孫
ヒレル=ヒレル派の始祖(⇔シャンマイ派)
自由な人間愛に基づく律法解釈
→イエスの律法理解に影響
    (イエスはヒレル派の律法学者)

ガマリエル=ナザレ派に反対しない立場
使徒の働き5:34~39

パウロ=師ガマリエルの教えに反してナザレ派を迫害

ダマスコに逃げたクリスチャンの迫害
○サウロ(パウロ)主導
×大祭司主導
使徒9:1~2

主の僕ステパノとの論争→殺害
クレネ、アレキサンドリア、キリキヤ、アジア出身のユダヤ人(使徒6:8~9)・・・パウロも含む

アジア出身のユダヤ人=急進派、過激派 使徒21:27, 24:18

神に対して熱心
=不純な熱心=征服欲、支配欲
ロマ10:2 私は、彼らが神に対して熱心であることをあかしします。しかし、その熱心は知識に基づくものではありません。10:3 というのは、彼らは神の義を知らず、自分自身の義を立てようとして、神の義に従わなかったからです。

パウロの生きる目的=神に対して熱心であること
         =この道(キリストの道)を迫害
         =迫害が宗教活動の目的化、人生の目的化
         →生きる意味の喪失

生けるキリストとの出会い天からのまばゆい光に打たれる「サウロ、サウロ」・・・実存の内奥に語りかける神
「何故お前は私を迫害するのか」
×迫害するな
×お前を滅ぼす
○人格的関係を前提
→わたしを迫害することがお前の本質なのか?そうではないはずだ。
「裁く神」観→あまりにも温かい神との出会い

強くまばゆく、しかし、温かいキリストの光に打たれる
→自分が闇の中にいたことを知る
強い光とショックのために視力を失う
私はどうしたらよいのですか?=これまでの生き方の誤りを認める
              =新たな人生の意味
              =キリストのために生きる
アナニヤによる霊導
・按手祈祷による視力の回復
・使命の伝達
・バプテスマによる新生

アラビア(死海東岸)での伝道、エルサレムでの活動・・・不成功、パウロ殺害計画
夢心地の祈り(エクスタシー=没我の祈り)→キリストとの霊的再会
パウロの痛み=以前の罪→伝道の不成功
主イエスの導き=×無暗な伝道          
        ○正しい働きの場へ、異邦人伝道へ

理屈抜きで生けるキリストを語る=事実のみを語る
               =キリスト伝道の真骨頂

使徒4:19 ペテロとヨハネは彼らに答えて言った。「神に聞き従うより、あなたがたに聞き従うほうが、神の前に正しいかどうか、判断してください。4:20 私たちは、自分の見たこと、また聞いたことを、話さないわけにはいきません。」

マタイ7:7 求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。7:8 だれであれ、求める者は受け、捜す者は見つけ出し、たたく者には開かれます。7:9 あなたがたも、自分の子がパンを下さいと言うときに、だれが石を与えるでしょう。7:10 また、子が魚を下さいと言うのに、だれが蛇を与えるでしょう。7:11 してみると、あなたがたは、悪い者ではあっても、自分の子どもには良い物を与えることを知っているのです。とすれば、なおのこと、天におられるあなたがたの父が、どうして、求める者たちに良いものを下さらないことがありましょう。

マタイ18:19 まことに、あなたがたにもう一度、告げます。もし、あなたがたのうちふたりが、どんな事でも、地上で心を一つにして祈るなら、天におられるわたしの父は、それをかなえてくださいます。18:20 ふたりでも三人でも、わたしの名において集まる所には、わたしもその中にいるからです

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