「マルコの福音書」 連続講解説教

その時が来た

マルコの福音書第1章14節~15節
岩本遠億牧師
2016年7月17日

1:14 ヨハネが捕えられて後、イエスはガリラヤに行き、神の福音を宣べて言われた。 1:15 「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい。」

+++

洗礼者ヨハネからのバプテスマ​
    ↓                
荒野での誘惑 

公の働きの開始​
 場所:ガリラヤ⇔エルサレム、荒野​
 時:ヨハネ逮捕後​

エルサレム:宗教的中心地​=礼拝のために人が集まる​

荒野:神と向き合うために出て行くところ​=洗礼者ヨハネの宣教の地​

ガリラヤ:エルサレムの人々から蔑まれた場所​
      「異邦人のガリラヤ」と揶揄​
      洗礼者ヨハネを逮捕したヘロデ・アンティパスの領地​
      =いわゆる宗教的ではない土地​

神のほうが人に近づく​

「時は満ちた」​
時:クロノス・・・流れ行くものとしての時​
カイロス・・・不均質、特定の意味を持つ時​

満ちる:一杯になる、完成する​

アラム語訳新約聖書​
「時は終わりに近づいている」​=これまでの時は終わり、新しい時が始まる

「神の国は近づいた」​
神の国=神の支配​
天国=天の支配​
  ×主イエスを信じる者が死後行くところ​
  ○今生きている私たちのところに来るもの​
  ○悪と罪に支配されている者たちを解放し、神の愛と義によって生かす力

悔い改め(メタノイヤ):立ち帰り​
福音:良い知らせ​
福音を(〜の中で)信じなさい​

「神に立ち帰れ。福音の中で神を信ぜよ」​

福音の中に置かれること→信じる​
神の愛の実在に触れる→人の存在を根底から変える​
×無闇に信じること

当時の社会状況​
ローマによる支配:戦争のない時代​
ローマが公認する宗教(ユダヤ教)は自由​
地中海航路の発達​
ヨーロッパからインドに至る道の整備​
           ↓​
    宣教のための社会的条件

ヘロデ・アンティパス(弟の妻を横取り)の罪を洗礼者ヨハネが糾弾​
  ↓​
ヨハネ逮捕→ヘロデヤの陰謀により斬首​
  ↓​
民衆の落胆←「この人こそキリスト​ではないか?」

主イエスの宣教​
=ヘロデ・アンティパスのお膝元で行う。​

神の業を押しとどめようとする悪魔の力を打ち破る主イエスの働きの開始​
ヨハネの宣教=律法的=人の決心​
主イエスの宣教=神の恵みが満ち満ちるもの​
        人を根本から変える神の愛

関連記事